2026-01

文学

草枕第13回解説|第9章のスウィンバーン引用と禅語「竹影払階塵不動」の真意

『草枕』第9章。那美と主人公の非人情な対話を解剖。余が日本語に訳して読み聞かせるスウィンバーンの詩「舳(とも)に行く女」の出典や、那美が口にする禅語「竹影払階」の意味を解説。
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草枕第12回|端渓九眼の硯と山陽の俗気。物徂徠(荻生徂徠)の書を愛でる

『草枕』第8章後半。九つの眼を持つ端渓硯を巡り、山陽の「才子肌」を批判。物徂徠(荻生徂徠)の品格とは何か。中国文学における「眼」の価値、米芾ら愛石家の系譜から、隠居があえてこの硯を見せた真意を解剖。
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草枕第11回|大徹和尚と煎茶の韻事、杢兵衛・青磁の文人美学

『草枕』第8章、大徹和尚との煎茶席を詳解。支那の花毯や杢兵衛の茶碗、青磁に宿る「春の日影」の正体を、白楽天の詩情や『列子』の故事を引用して分析。一滴の玉露から広がる非人情の境地と、那美の「芹摘み」に隠された諧謔を読み解きます。
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草枕第10回|温泉の美学:白楽天とミレー、嫦娥に見る非人情

『草枕』第7章。温泉で自己を溶解させる主人公の美学を解剖。白楽天『長恨歌』の引用やミレー『オフェリヤ』への批評を通じ、漱石が描く「風流な土左衛門」と「裸体の気韻」の正体を読み解きます。東洋と西洋の美学が湯煙の中で交錯する瞬間。
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第九回:第六章の漢詩全釈(後編)|「画にできない情」を詠む推敲の心理

夏目漱石『草枕』第六章の漢詩(五言十四句)を徹底解説。大漢和辞典に基づき平仄・押韻を分析。最初の6句がなぜ「画になる」のか、そこから「画にできない情」を求めていかに推敲されたのか、漱石の創作心理を読み解きます。
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第九回:第六章の漢詩全釈|画を超え、音を超えた「ムード」の正体

夏目漱石『草枕』第六章の漢詩を徹底解説。最初の6句がなぜ「画になる」のか、そこから「画にできない情」を求めていかに推敲されたのか、漱石の創作心理を読み解きます。
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草枕第8回|青磁と壺中の天、董其昌に学ぶ真の南画論

漱石が第6章で到達した非人情の極致を解説。冒頭、青磁の美から「壺中の天」へ入り、董其昌の『画禅室随筆』が説く気韻生動を体現しようとする主人公。レッシングの詩画分離論を乗り越え、自己が春の精気と同化する境地を漢籍出典とともに読み解きます。
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夏目漱石『草枕』第7回(おまけ)|黄檗の系譜と「高泉」への傾倒:書から読み解く文人の美意識

『草枕』第7回補足。欄間の額に記された「黄檗宗」の書風から、漱石の深い文人趣味を分析。隠元・木庵・即非の「黄檗三筆」それぞれの個性を踏まえた上で、なぜ「高泉」が至高なのか。大徹という落款に隠された宿の主人の知的な「遊び」を読み解きます。
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夏目漱石『草枕』第7回|第三章:那古井の宿の怪異と「雅俗混淆」の夢

『草枕』解説、舞台は那古井の宿へ。小女の無機質な案内、若冲の鶴、そして月下に響く「長良の乙女」の歌声。現実と夢、雅と俗が入り乱れる宿の夜を原文から詳説します。日本的な情緒が漂う夜から、次なる漢文学的深淵への予兆を読み解く連載第7回。
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夏目漱石『草枕』第6回|オフェリヤと長良の乙女:茶店で交錯する悲劇の幻影

『草枕』連載第6回。茶店の老婆が語る「那古井の嬢様(那美)」の不運な身の上。ミレーの名画『オフェリヤ』と万葉の悲恋伝説『長良の乙女』が主人公の脳内で重なり合う時、芸術的理想「非人情」は現実の俗界とどう衝突するのか。原文からその深意を紐解きます。