【免責事項】本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品・投資行動を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。
ジェレミー・シーゲル著『株式投資(Stocks for the Long Run)』第6版 第16章のテーマは「テクニカル分析とトレンド投資」だ。占星術扱いしてきたアカデミアと、ウォール街で実際に使われてきたチャート分析の間の論争は長年続いてきた。著者は1885年から2020年という135年分のダウ平均データを使って200日移動平均戦略を検証し、慎重ながらも肯定的な結論を示している。本稿では原文に忠実に整理したうえで、これまでの評価軸に沿って検証する。
【抽出】第6版 第16章の核心的ロジック
A. テクニカル分析とは何か
テクニカルアナリスト(チャーティスト)は、将来のリターンを予測するのに配当・業績・簿価といったファンダメンタル変数を無視し、有効な情報は過去の価格パターンに集約されているとする。過去のパターンは繰り返す市場心理の変化の反映か、情報に通じたトレーダーの取引の結果であり、それを的確につかむことで市場に打ち勝てるとテクニカルアナリストは主張する。
著者は冒頭でグレアムとドッドの1934年の言葉を引用している。「多くの懐疑論者がチャート分析を占星術や秘術の類だとして否定しようとするが、ウォール街ではそれなりに重宝されているので、ある程度の注意深さをもってその主張を検討することが必要である」という言葉だ。一方、プリンストン大学のバートン・マルキール教授は1990年の著書でテクニカル分析を明確に否定しており「過去の株価の変動を将来の値動きを予測するために使うことはできない。株式市場には記憶はない」と主張した(著者によればマルキール氏は2022年時点でも同じ考えだという)。
著者はしかし、かつて経済学者によってほとんど満場一致で支持されたテクニカル否定論は変わりつつあると述べている。200日移動平均や短期の価格モメンタムのような単純な売買ルールが投資リターンの改善に利用できることを示す最近の研究があると指摘している。
B. テクニカル分析の歴史:チャールズ・ダウとダウ理論
最初の有名なテクニカルアナリストはダウ平均の創設者チャールズ・ダウだ。ダウは20世紀初めにウォール・ストリート・ジャーナルの社説で自分の戦略を公表した。後継者のウィリアム・ハミルトンはダウのテクニカル分析を発展させて1922年に著作としてまとめ、チャールズ・レアが1930年代に「ダウ理論」として体系化した。
ダウは株価の上下動を海の波に見立て、全体のトレンドを決定するプライマリー波動の上にセカンダリー波やマイナー波が付加されると主張した。ダウ平均・市場の売買高・ダウ輸送株平均のチャートを分析することで市場がどのトレンドにあるかを判別できるとした。
著者はダウ理論の実績として、1929年10月の株価暴落前に株式市場から抜け出すことができたといわれていることを紹介している。マーティン・J・プリングによれば、1897年からダウ平均の構成銘柄を購入してダウ理論の売買シグナルに従った投資家は1990年1月までに100ドルの元手を11万6000ドル超に増やすことができたとされる。これに対してバイ&ホールド戦略(配当再投資を除外)では6000ドルにも達しないという。ただし著者は「売りと買いのシグナルは主観的なもので正確な数値によって決定できないため、本当にダウ理論に基づく売買からの利益かどうかを確認するのは困難である」と留保している。
C. 株価のランダム性:テクニカル分析への学術的な反論
経済学者が株価のランダム性を指摘し始めたのは20世紀初めのことだ。著者は経済学者フレデリック・マッカーレイが1925年の米国統計学会で株価の変動とサイコロ投げによる確率分布の間に驚くべき類似点を見いだしたことを紹介している。30年以上後には、シカゴ大学のハリー・ロバーツ教授がコイン投げのような完全にランダムな出来事から価格変化をプロットすることで市場の値動きをシミュレーションし、実際の株価チャートにそっくりなパターンやトレンドが形成されることを示した。論理的にはグラフのパターンに予言的要素などあるわけがない。
1965年にはMITのポール・サミュエルソン教授が、需給に影響を与える要因がなかったとしても将来のキャッシュフローに基づく証券の価格は予測不可能であることを示した。効率的な市場では株価に影響を与える要因のすべてが価格に織り込まれ、価格は予期せぬ新しい情報が公表されたときだけ変化する。予期せぬ情報は予測より良いニュースかもしれないし悪いニュースかもしれないので、その結果生じる株価の動きはランダムだというわけだ。
D. ランダムな株価のシミュレーション(図16-1)
著者は60年前にロバーツ教授が考案した実験を拡張し、図16-1として8つのチャートを示している。4つはランダム変数発生プログラムで作成したもの、残りの4つはダウ平均の実際のデータだ。ウォール街のトップブローカーのほとんどが実際の株価と偽物の株価の違いを言い当てられなかった。1990年代半ばで、ブローカーの3分の2が図16-1のグラフDを1987年10月19日の株価暴落時のものと正しく言い当てた。残りの7つのグラフについてはブローカーは実際のデータとコンピューター生成のデータを区別することができなかった。実際の過去の株価を示しているのはB・D・E・Hで、コンピューター生成のデータはA・C・F・Gだ。
E. 市場のトレンドと移動平均
テクニカルアナリストはトレンドが確立されたと思われるときに、値動きを挟む上側(抵抗線)と下側(支持線)の境界線からなるチャンネルを引く。株価がチャンネルの境界線を突き抜けると直後に大きく値が動くことが多い。
多くのトレーダーがトレンドの重要性を信じているという事実自体が順張りを人気ある行動にする。マーティン・ツバイクは「値動きに逆らうことなく市場のトレンドとともにいることの重要性は、どんなに強調しても強調しすぎることはない。価格の流れに抵抗することは悲劇の始まりである」と述べている。
移動平均はトレンドの変化をとらえる手法として普及しており、少なくとも1930年代には使われていた。移動平均は過去の一定期間における終値の単純な算術平均で、最も一般的な200日移動平均は日が改まるたびに一番古い価格が除かれ最新の価格が追加される。ウィリアム・ゴードンは1897〜1967年にダウ平均が200日移動平均を上抜けしたときに買う戦略が、下抜けしたときに買う場合の約7倍のリターンを生み出したと述べた。コルビーとメイヤーズは米国株に最適な移動平均の期間は200日移動平均よりわずかに長い45週であるとした。
F. 200日移動平均戦略の135年間の検証(著者による独自研究)
著者は1885年から2020年までのダウ平均の日次データを用いて独自の検証を行った。売買ルールは、ダウ平均の終値が200日移動平均を少なくとも1%上回ったときにその日の終値で買い、少なくとも1%下回ったときにその日の終値で売り(売却額は短期国債に投資する)というものだ。上下1%のバンドを設けることで売買回数を減らしている。
表16-1の主な結果は以下の通りだ。
全期間(1886〜2020年)ではタイミング戦略の年間リターンは9.66%で、ホールディング戦略の9.62%をかろうじて上回った。ただしリスク(標準偏差)はタイミング戦略16.4%に対しホールディング戦略20.9%と、タイミング戦略が約4ポイント低かった。保有期間は全体の63.6%、売買回数は402回だった。
期間別では1926〜1945年でタイミング戦略11.13%に対しホールディング戦略6.25%と、タイミング戦略が大幅に優位だった(大恐慌の暴落を回避した効果)。一方1946〜2020年ではタイミング戦略9.21%に対しホールディング戦略10.82%とホールドが優位に転じた。1990〜2020年ではタイミング戦略5.85%に対しホールディング戦略10.52%、2001〜2020年ではタイミング戦略4.16%に対しホールディング戦略7.68%と差は拡大し、ホールドが年間3ポイント以上上回った。2012〜2020年ではタイミング戦略8.10%に対しホールディング戦略12.96%だった。
大恐慌(1929〜1932年)を除いた場合は全期間でタイミング戦略9.84%に対しホールディング戦略10.76%と、タイミング戦略が0.92ポイント下回った。著者はこの計算からタイミング戦略の最大の成功は1929〜1932年の暴落の回避にあったことを確認している。
G. 具体的な暴落回避の事例
著者はタイミング戦略による主要な暴落回避の事例を具体的に示している。
1929年大暴落については、戦略に従うと1924年6月27日に95.33ドルで株式を購入し、1929年9月3日に381.17ドルをつけるまで上昇相場に乗る。そして大暴落の10日前にあたる1929年10月19日に323.87ドルで市場を退出する。その後は1930年の短い時期を除いて株式市場から退出し続け、ダウ平均が暴落後の安値からわずか25ドル高い66.56ドルをつけた1932年8月6日に再び市場へ参入することになる。
1987年の暴落については、投資家は1987年10月16日金曜日の終値で株式を売却することで同年10月19日(ブラックマンデー)の暴落を回避できた。しかし1929年とは対照的に1987年には株価の下落が続かず、1987年10月16日の売却水準をわずか5%下回る水準になる翌年6月まで投資家は市場に戻れなかった。
2007〜2009年の金融危機については、ダウ平均が2007年10月の高値を約8%下回った2008年1月2日に退出し、ダウ平均が約40%下がった2009年7月15日まで市場へ再参入しない。
2020年の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う下落については2020年2月26日に売却し、ダウ平均が30%超下落して翌月に底入れするまで市場を退出し続けることができる。
H. タイミング戦略のデメリット:ウィップソー
タイミング戦略の最大のデメリットは、市場に明確なトレンドがなく200日移動平均を何度も交差するときだ。著者は2010年・2011年・2012年に投資家が20回も売買を繰り返した「往復ビンタ(ウィップソー)」によりリターンが20ポイントほど削減されたと述べている。これが2001〜2020年でタイミング戦略がホールディング戦略を年間3ポイント以上下回った主因だ。
I. 弱気相場でのドローダウン比較
著者は1886年以来のすべての弱気相場(20%以上の下落)を通じた比較を示している。タイミング戦略の平均ドローダウンはわずか13.25%で、ホールディング戦略のピークから底までのドローダウン32.73%の半分にも満たない。リターンではホールディング戦略に及ばない時期があっても、大暴落の回避という点でタイミング戦略には明確なメリットがあると著者は述べている。
J. 結論
著者の結論は慎重ながらも肯定的だ。テクニカル分析はアカデミックな論争が続いているが、ウォール街の専門家や経験豊富な投資家から多大な支持を得ており、「本章の分析からは、これらの戦略について慎重にではあるが肯定的にみることができる」と述べている。
ただし著者はグレアムの言葉を引用して重要な警告を示している。「人間が営む経済イベントを科学的に予測することなどありえない。そのような予測がまさしく信頼できるということになれば、人間の行動を喚起し、その予測は成り立たなくなる。それゆえ、賢いチャーティストは、継続的な成功は、少数の人だけが成功する方法を知っておくことだとわかっている」という言葉だ。
著者はまた実務面での注意点として、テクニカル分析だとトレーダーは取引時間中ずっと注意し続けることが必要だと述べている。1987年10月16日にダウ平均が暴落前の金曜日の取引終了直前に200日移動平均を下抜けして売りシグナルを出したように、タイミングを逃せば大暴落に巻き込まれる可能性がある。
【検証】第4版(2005年)から第6版(2025年)への差分分析
【4版(2005年)の心理構造】
「200日移動平均戦略は大恐慌・大暴落の回避に成功した歴史的実績がある。
テクニカル分析には一定の有効性があり、ホールディング戦略より優れた面もある」
↓
【6版(2025年ベース)での現実】
2001〜2020年でタイミング戦略はホールディング戦略を年間3ポイント超下回った。
2010〜2012年の往復ビンタでリターンが20ポイント削減された。
大恐慌を除くとタイミング戦略はホールドを0.92ポイント下回る。
↓
【シーゲルの対応】
「タイミング戦略の真の価値はリターンの向上よりもボラティリティの低減と
大暴落の回避にある。リターンではホールドに劣るが、リスク調整後では
慎重ながら肯定的に評価できる」
| 評価軸 | 具体的象徴 | 4版から6版への変質と分析 |
|---|---|---|
| 【改善・的中】 | 「大暴落回避」という限定的なメリットへの正直な絞り込み | 第6版では「タイミング戦略の最大の成功は1929〜1932年の暴落の回避」であり、それを除くとホールドを0.92ポイント下回るという不都合な事実を明示した。大恐慌という特殊な時代的偶然に依存した実績であることを正直に示した点は評価できる。 |
| 【修正・誤認】 | テクニカル分析全般への評価の後退 | 第4版では200日移動平均戦略のリターン優位性をより強調していたが、第6版では2001〜2020年の大幅なアンダーパフォームと近年のウィップソー問題を詳細に示し、「ボラティリティ低減とドローダウン抑制」という限定的なメリットに評価を絞り込んだ。 |
【峻別】経済的必然 vs 時代的偶然
経済的必然(2050年でも再現可能性が相対的に高いもの)
- 「トレンドフォローの自己実現的性質」: 多くのトレーダーがトレンドの重要性を信じているという事実自体が順張りを人気ある行動にする。移動平均を意識するトレーダーが多ければ多いほど、その水準での売買が集中し価格の動きが加速する。これはノイズトレーダーの行動と組み合わさった自己実現的なメカニズムだ。
- ボラティリティ低減のメカニズム: 株式と現金の間を移動するシンプルなルールが標準偏差を約4ポイント低下させるという事実は、ポートフォリオ理論の基本から導かれる必然だ。2050年でも「株から出る」という行為がリスクを下げることは変わらない。
時代的偶然(特定の条件が重なった可能性があるもの)
- 1929〜1932年の大恐慌という特殊な暴落: タイミング戦略の135年間のリターン優位性はほぼ完全にこの4年間に依存していた。大恐慌除きでタイミング戦略が0.92ポイント劣後するという事実は、「大暴落が再び起きたときにのみ機能する戦略」の限界を示している。
- 2010〜2012年のウィップソー問題の深刻化: 200日移動平均を何度も交差する横ばい相場での往復ビンタは、アルゴリズム取引と量的緩和が生んだ2010年代特有の市場構造にも依存している。
- 200日移動平均自体の普及による「裁定」: 移動平均線を意識するトレーダーが増えれば増えるほど、そのシグナルによる超過リターンは市場に裁定されて消滅する可能性がある。グレアム自身が「継続的な成功は、少数の人だけが成功する方法を知っておくこと」と述べた通りだ。
【批判】2050年への死角
① 135年間のデータが「大恐慌1回」に依存しているという根本問題
表16-1が示す最も重要な事実は、大恐慌(1929〜1932年)を除いた場合にタイミング戦略がホールディング戦略を0.92ポイント下回るということだ。この戦略を採用する合理性が「次の大恐慌が来ること」を前提としているとすれば、投資家は「大恐慌級の暴落がいつ来るかを予測できないが、来たときのために常にコストを払い続ける」という非常に非効率な保険を購入していることになる。著者自身が弱気相場でのドローダウン抑制というメリットを強調しているが、その代償は近年では年間3〜4ポイントのリターン低下だ。
② AIとアルゴリズム取引による移動平均シグナルの形骸化
現代の市場では、機関投資家のアルゴリズムが200日移動平均を瞬時にスキャンして売買する。シグナルが発生した瞬間に大量の売買が集中するため、タイミングの優位性が消滅しやすくなっている。実際に著者のデータでも1946年以降のすべての期間でタイミング戦略はホールドを下回っており、アルゴリズム取引が普及した2001年以降の差の拡大はこの傾向を反映している可能性がある。
③ 取引コストと税金を考慮した現実的なリターン
著者は売買コストについて明示的な計算をしていない。135年間で402回の売買(年平均約3回)という頻度は、取引コストが高かった時代を含むとはいえ、現代の個人投資家にも相当のコストを課す。2001〜2020年の20年間で84回の売買(年平均4.2回)があり、しかもリターンでホールドを3ポイント以上下回っているという事実は、コスト込みではさらに差が広がることを意味する。
【評価】第16章の評価軸
| 評価 | 論点 | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| 【信】Core Theory | 「200日移動平均戦略はリターン向上よりもボラティリティ低減と大暴落回避にメリットがある」という限定的な評価 | タイミング戦略の弱気相場平均ドローダウン13.25%に対しホールディング戦略32.73%という差は明確だ。リターンではなく「安心感」のために使う道具として位置づければ、限定的な有効性は認められる。 |
| 【疑】Variable | 「200日移動平均戦略は慎重ながら肯定的に評価できる」という著者の結論 | 大恐慌を除くとタイミング戦略が劣後するという事実と、1946年以降すべての期間でホールドが優位という事実から、「慎重ながら肯定的」という評価は条件次第だ。次の大暴落がいつ来るかと、アルゴリズム取引による裁定がどこまで進むかによって大きく変わる。 |
| 【棄】Bias | ダウ理論の実績(100ドル→11万6000ドル超)という数値への信頼 | プリングが示したこの数値は「売りと買いのシグナルは主観的」と著者自身が認めており、正確な再現性が確認できない。主観的なシグナル判定に依存した過去の数値は、将来の再現性の根拠としては採用すべきでない。 |
まとめ
本に記述された事実と変遷
第16章の核心は「200日移動平均戦略はリターン面ではほとんどの期間でホールディング戦略に劣るが、大暴落の回避とボラティリティの低減という点で一定のメリットがある。ただしその最大の成功は1929〜1932年の大恐慌回避に依存している」という慎重な評価だ。
主な数値を確認すると、ダウ理論:1897〜1990年でバイ&ホールド(配当再投資除く)が6000ドル未満に対し、ダウ理論戦略では100ドルが11万6000ドル超(ただし検証困難)。表16-1の全期間(1886〜2020年)ではタイミング戦略9.66% vs ホールディング戦略9.62%でリスクはタイミング16.4% vs ホールド20.9%。大恐慌を除くとタイミング9.84% vs ホールド10.76%でタイミングが0.92ポイント劣後。1926〜1945年はタイミング11.13% vs ホールド6.25%(大恐慌期を含む最も有利な期間)。1946〜2020年はタイミング9.21% vs ホールド10.82%。2001〜2020年はタイミング4.16% vs ホールド7.68%(ホールドが3ポイント超上回る)。2010〜2012年の往復ビンタ20回でリターン20ポイント削減。全弱気相場の平均ドローダウンはタイミング13.25% vs ホールド32.73%。1987年:10月16日金曜日終値で売却・翌月(10月19日)の暴落を回避するも翌年6月まで市場復帰できず。図16-1ではブローカーの3分の2がグラフDを1987年10月19日の暴落時と正しく言い当てたが、残り7つは識別不能。
将来への持論と方針
著者の「慎重ながら肯定的」という評価は、条件付きで支持できる。その条件は3つだ。第1に「次の大恐慌級の暴落が自分の投資期間中に来る可能性が高いと考えるか」。第2に「2001〜2020年のような年間3〜4ポイントのリターン低下というコストを受け入れられるか」。第3に「取引時間中に常に注意を払い続けるという運用コストを負担できるか」。
3つの条件を冷静に検討すると、大多数の長期投資家にとっては単純なバイ&ホールド戦略の方が合理的だ。グレアムが1940年に示した通り「継続的な成功は、少数の人だけが成功する方法を知っておくことだ」という警告は2050年でも有効だ。最終的な結論は全章を読み終えてから出したい。
それでは。
※本記事は刊行時の記述と、著者自身による修正履歴の確認に基づいています。将来の投資環境についての記述は個人の見解であり、予測を保証するものではありません。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。


