このシリーズで紹介してきた備蓄食材を振り返ると、乾物・缶詰・調味料が中心でした。
栄養面で見ると、実は脂質が不足しがちです。乾物は基本的に低脂肪。サバ缶・うなぎ缶などは脂質を含みますが、毎食使うわけではありません。
そこで備蓄に加えるのがごま油・えごま油です。少量で効率的にカロリーと脂質を補給できる。常温保存できる。そして、ひとさじ加えるだけで料理の風味が変わる。ごまの記事で紹介した「ひと振りで栄養を補う」という発想の、油バージョンです。
ごま油・えごま油が防災備蓄に向いている理由
脂質を効率的に補給できる:油は重量あたりのカロリーが高い。少量でエネルギー補給ができます。避難所の食事はカロリー不足になりやすいので、ご飯やスープに油を少量加えるだけでカロリーが補えます。
常温保存できる:未開封であれば長期間常温保存できます。冷蔵庫が使えない状況でも問題ありません。
風味づけになる:乾燥野菜・だしパック・味噌玉で作った汁物に、ごま油を数滴垂らすだけで風味が一気に変わります。香りがあるだけで食事の満足感が上がるのは、鰹節の記事でも書いてきたことと同じです。
開封後の管理:大瓶を備蓄しておいて非常時だけ使うと酸化リスクがあります。小瓶タイプか個包装を選んで、日常の料理で使いながらローリングストックするのが基本です。
ごま油とえごま油の違い
ごま油:ごまを焙煎して搾った油。香りが強く、加熱調理にも生食にも使えます。和食・中華どちらにも合う万能な油です。
えごま油:えごまの種子から搾った油。クセが少なく、生のまま使うのに向いています。加熱には向かないため、汁物やご飯にそのままかける使い方がメインです。個包装なら1回分ずつ使い切れて酸化の心配がありません。
備蓄として両方揃えるなら、加熱調理用にごま油、仕上げの風味づけにえごま油、という使い分けができます。
ふるさと納税で選ぶ
▼いな吉のごま油・5本入り(佐賀県小城市):職人が手作りする黄金色のごま油。佐賀・小城市で有名な一品で、スーパーで売っているごま油とは香りと風味が別格です。値段は高めですが、それだけの価値があります。5本セットなので日常使いで少しずつ消費しながら備蓄できます。ごま油の本物の香りを知りたい方にまず試してほしい一品。理用にごま油、仕上げの風味づけにえごま油、という使い分けができます。
▼かどや製油 ごま油詰め合わせ(香川県小豆島町):小豆島はごま油の生産地として知られ、かどや製油はその代表的なメーカーです。詰め合わせなので複数種類のごま油を試せます。純正ごま油・焙煎ごま油など用途別に使い分けができるのが利点。日常使いに向いた手頃な選択肢です。
▼焙煎えごまオイル・個包装14包(岐阜県下呂市):純飛騨産のえごまを低温圧搾した個包装タイプ。1包3g×14包で、1回分ずつ使い切れるので酸化の心配がありません。防災袋にも入れやすいコンパクトサイズ。下呂温泉で知られる岐阜・下呂市の特産品で、「あぶらえ」という飛騨地方の伝統的な食材です。加熱せずにご飯・スープ・味噌汁にそのままかけて使います。
このシリーズとの組み合わせ
油は単体では使いにくいですが、このシリーズの備蓄食材と組み合わせると効果が出ます。
味噌玉のお湯にごま油を一滴:香りが立って、いつもの味噌汁が変わります。
だしパックのスープにえごまオイル:あっさりしたスープに脂質とコクが加わります。
アルファ米にごま油:少量かけるだけで風味とカロリーが補えます。粉末醤油と組み合わせると簡易チャーハン風になります。
えごまオイルはそのままかけるだけ:個包装なので開けてご飯の上に垂らすだけ。加熱不要で一番手軽な使い方です。
まとめ
油は防災備蓄の中で見落とされがちですが、乾物中心の備蓄に脂質を補う重要な役割があります。
いな吉のごま油は品質にこだわりたい方へ。小豆島のかどや製油は種類を使い分けたい方へ。飛騨のえごまオイルは個包装で手軽に管理したい方へ。それぞれ用途が違うので、組み合わせて揃えるのがおすすめです。
まず個包装のえごまオイルから試してみてください。防災袋にそのまま入れられて、管理が一番簡単です。本、日常の料理で使うところから始めてください。

