【免責事項】本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品・投資行動を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。
ジェレミー・シーゲル著『株式投資(Stocks for the Long Run)』第6版 第18章のテーマは「マネー、金(ゴールド)、ビットコイン、連邦準備制度」だ。1931年の英国の金本位制離脱から1971年のニクソン・ショック、1979年のボルカーの「土曜の夜の虐殺」、そして現代のビットコインまで、マネーをめぐる制度的変化が株価に与えた影響を200年のスパンで追跡する。本稿では原文に忠実に整理したうえで、これまでの評価軸に沿って検証する。
【抽出】第6版 第18章の核心的ロジック
A. 1931年:英国の金本位制離脱と「驚くべき株価の反応」
著者は1931年9月20日の英国の金本位制離脱を起点に論を展開する。英国政府がポンドと金の兌換を停止したとき、中央銀行の担当者たちは「前代未聞の世界金融危機」と呼んだ。ロンドン証券取引所は取引を停止し、ニューヨーク証券取引所は設立以来初めて空売りを禁止して狼狽売りに備えた。
しかし著者が強調するのは、その後に起きた「驚くべき株価の反応」だ。米国株はひとしきり下落した後急速に上昇し、多くの銘柄が前日よりも高値で取引を終えた。英国で取引が再開された9月23日、株価は大きく上昇した。政府関係者の悲観的な予測とは正反対に、株式投資家は金本位制の放棄を経済にとってプラス、株価にとって好材料とみなした。兌換停止により英国政府は金融を緩和でき、ポンドの下落により英国の輸出が増加すると思われたからだ。
著者はここから章全体のテーマとなる教訓を導く。「流動性と金融緩和が相場を押し上げるのであり、中央銀行が自由に流動性を供給できることが株価にとって大きなプラス要因になる」というものだ。
B. 金本位制の歴史
著者は金本位制の概略を整理している。英国が1821年に最初に金本位制を採用し、米国が1834年に続いた。20世紀初頭までに実質的にすべての先進国が金本位制を採用した。金本位制が停止されたのは戦争のような危機の間だけで、英国はナポレオン戦争と第一次世界大戦の際に離脱したが戦後に元の交換レートで戻している。米国も南北戦争の際に離脱したが戦後に戻した。
19世紀から20世紀初頭にかけて世界的なインフレが起こらなかったのは各国が金本位制を維持していたからだが、これには物価安定のための大きなコストが伴った。流通するマネーの量と政府が保有する金の量を等しくする必要があり、中央銀行は不況や金融危機のときでも追加的なマネーを供給できなかった。
C. 連邦準備制度の設立と金本位制の崩壊
金本位制の順守が原因で周期的に発生した流動性の危機を受け、米連邦議会は1913年に連邦準備法を通過させて連邦準備制度を創設した。FRBの責務は「弾力的な」資金を市場に供給し金融危機のときに資金の最後の貸し手になることだった。
著者はFRBの制度的欠陥も指摘している。金融政策の実施方法や適切なマネーの量の決定について、議会や連邦準備法から何の指針も受けることがなかった。この指針の欠如は20年後に大惨事を招いた。1929年の株価暴落後、FRBは銀行恐慌を食い止める追加資金を供給することができず、銀行恐慌は米国から英国・欧州へと飛び火した。
英国は1931年9月20日に金本位制を放棄した。18カ月後の1933年4月19日には米国も金本位制を放棄した。著者によれば米国株の反応は英国のときよりもさらに熱烈で、政府が金本位制を放棄した日に9%以上値上がりし、翌日もほぼ6%上昇した。著者はこれを「株式史上最大の2日間の上げ幅」と表現している。一方で金本位制放棄によるインフレ懸念が強まったため債券価格は下落した。
D. ブレトンウッズ体制からニクソン・ショックへ
著者はその後の国際通貨制度の変遷を整理している。第二次世界大戦後のブレトンウッズ協定で米国政府は、米ドルに自国通貨を固定した国の中央銀行が保有するすべてのドルを1オンス35ドルのレートで金と交換することを確約した。
しかし戦後インフレが高まるにつれ金は海外投資家にとってますます魅力的になり、米国の金保有量は減り続けた。1965年にジョンソン大統領が「1オンス35ドルの金のドル建て価格を維持する能力と意思があることは何ら疑う余地がない」と明言したにもかかわらず、金保有量は減少し続けた。米国は第二次世界大戦後には300億ドル相当の金を保有していたが、毎月何億ドル分もの金が流出し1971年夏には110億ドルまで減少した。
1971年8月15日、ニクソン大統領は「金の窓口」の閉鎖(金とドルの交換停止)と物価・賃金の凍結を含む「新経済政策」を発表した。著者はこれを「1933年のルーズベルト大統領によるバンクホリデー宣言以来最も異例の行動」と表現している。これを熱烈に歓迎した株式市場は記録的な出来高を伴って前日比4%上昇した。金とマネーのリンクはこれにより永久に絶たれた。
E. 1979年:ボルカーの「土曜の夜の虐殺」
著者は金本位制廃止後のFRBの政策を時系列で整理している。1973〜1974年のオイルショックで各国政府が生産の減少をマネーサプライの拡大で相殺しようとしたため深刻なインフレに見舞われた。米連邦議会は1975年にFRBにマネーサプライの目標の公表を義務付ける法案を採択した。3年後には議会がハンフリー-ホーキンス法を制定し、FRBに年2回の議会証言とマネーサプライ目標の提示を求めた(著者注:同法は2000年に失効したが議会は依然として年2回の議会証言を求めている)。
しかしFRBは1970年代に設定したマネーサプライの目標をほとんど無視した。1979年4月にG・ウィリアム・ミラーの後任としてFRB議長に就任したポール・ボルカーは、同年10月6日の土曜日に金融政策の実施方針の大幅な変更を発表した。「今後FRBは金利の設定のみを政策の指針とはしない。マネーサプライをコントロールする」というものだ。市場はこれを金利の急激な引き上げを意味すると理解し、実際にFF金利の誘導目標は記録的な20%まで引き上げられた。
のちに「土曜の夜の虐殺」と呼ばれるこの発表は、株式市場に衝撃を与えた。発表後2日半で株価は約8%下落し売買高は記録的な水準に達した。しかしボルカー時代の金融引き締め政策により最終的にインフレは収まり、欧州各国の中央銀行や日本銀行もFRBとともに金融政策の目標を物価の安定に方向転換させた。
F. FRBによるマネーの創出と金利操作のメカニズム
著者はFRBがマネーサプライを操作するメカニズムを整理している。FRBがマネーサプライを増やしたいときは公開市場で米国債を購入し、代金を取引相手の銀行の準備口座に入金することでマネーを創出する。マネーサプライを減少させたいときは米国債を売却し、代金が銀行の準備口座から引き落とされることで準備金が資金循環から消える。これらを公開市場操作と呼ぶ。
FRBが創出する準備金を取引する市場はフェデラルファンド市場と呼ばれ、この資金を取引するときの金利をFF金利と呼ぶ。連邦公開市場委員会(FOMC)が誘導目標を設定し、実際のFF金利が目標値に接近するように公開市場操作を実施する。金融危機時にFRBが大規模な買いオペレーションで銀行の準備率を大きく上回る水準まで準備金を増やす量的緩和を行うと(「潤沢な準備」レジーム)、FF金利はゼロまで低下し公開市場操作ではFF金利にほとんど影響を与えられなくなる。この場合FF金利はFRBが準備金に支払う準備預金金利によって決定される(2009年に議会がFRBに付与した権利)。
G. 株価と中央銀行政策の関係
著者は1971年から2021年までのFF金利と株価の関係を分析している(図18-1)。1990年以前はほとんど相関がなく、多少相関が検出できるとしても僅かに負だった。1990年以降は相関がより正になり、株価の上昇は利上げと関連し株価の下落は利下げと関連するようになった。著者はFF金利は株価の動向に遅れて動いていると指摘している。
この変化の背景として著者は、1970〜80年代は供給ショック(石油不足)が優勢でインフレ率の上昇が株価の下落を招きFRBが利上げを実施したのに対し、その後は金融危機やコロナ禍のような需要ショックが優勢になり中央銀行が需要を刺激するために利下げするというパターンに変わったことを挙げている。
表18-1は利上げサイクル開始後のS&P500リターンをまとめたものだ。利上げサイクルの最初2年間は平均を下回る成績が続くが3年目には改善している。3カ月リターンのマイナスが最も大きかったのは2022年3月のコロナ禍後インフレ抑制のための利上げの後で、マイナス15.86%だった。著者はFF金利の引き上げが株価にとってマイナスになることが多い理由として、実質金利の上昇による将来キャッシュフローの割引価値の下落と景気後退・不況の確率の上昇を挙げている。
H. ビットコインの評価
著者はビットコインを貨幣の4つの特徴(①計算単位、②交換手段、③価値貯蔵手段、④匿名性)から分析している。
ビットコインは2008年に創設された分散型デジタル通貨だ。最大で2100万ビットコインまでというプロトコルがあり、2021年末までに約1900万コインが創出された。2009年に世界中の通貨と自由に取引できるようになり、当初1コイン5セントで購入できた(1000ドルの投資で2万ビットコインを購入可能)。そして2021年12月時点で、その1000ドルの投資(2万コイン)の価値は約10億ドルになった。著者はこれを「これほど短期間でこれほど値上がりした資産は歴史上例がない」と表現している。
図18-2(2021年末時点)では貨幣性資産の規模として、M2が123.0兆ドル、中央銀行発行通貨が42兆ドル、金が12.1兆ドル、暗号資産が0.8兆ドルと示されている。ビットコインは2022年初頭時点で全暗号通貨の約2分の1を占めていたが、2022年前半に価値が急落し同年6月には暗号通貨全体で1兆ドル以下にまで落ち込んだ。
著者の評価は以下の通りだ。①計算単位としては、ビットコインで価格が提示されることはほぼないためまだ計算単位になっていない。②交換手段としては、金よりも優れている部分があり国際送金はビットコインにとって大きなチャンスだ。しかし取引コストが銀行口座引き落としより相当大きく送金確認に時間もかかる。③価値貯蔵手段としては、供給量が限られているため過剰発行で価値を失うことはない。しかしコロナ禍の弱気相場でビットコインは50%値下がりし金の価格は上昇したことから、株価変動に対する効果的なヘッジ資産としてはまだ役立っていない。図18-4が示すようにビットコインの株価との相関は金よりも大幅に高い。④匿名性については、創設当初は優れた匿名性を持っていたが、コロニアル・パイプライン社へのランサムウェア攻撃(430万ドルの身代金、1カ月後に90%近くを回収)の事例に示されるように、近年は匿名性が低下している。
I. 暗号通貨のマクロ経済的影響と結論
著者は暗号通貨が中央銀行の通貨と銀行預金にとって脅威となっていると述べている。国民が暗号通貨を保有するほど中央銀行通貨への需要が低下しインフレを引き起こす可能性がある。また中央銀行の金融コントロールをより困難にする。
著者の最終的な結論は3点だ。第1に、金利の引き上げは株価に小幅だがマイナスの影響を与える。近年、株価は中央銀行の政策金利に先行して動いている。第2に、ビットコインに代表される暗号通貨は政府発行通貨の優位性を脅かしており、民間企業が電子送金を改善しない限り暗号通貨が取引で大きなシェアを占めるようになるかもしれない。第3に、各国が自国経済のコントロールを維持したいのであれば政府発行通貨に基づく決済システムの効率化を図ることが必要だ。
【検証】第4版(2005年)から第6版(2025年)への差分分析
【4版(2005年)の心理構造】
「金本位制からFRBによる管理通貨制への移行は、流動性供給の柔軟性を高め
株式市場にとってプラスだった。ビットコインはまだ存在しない(2008年創設)」
↓
【6版(2025年ベース)での現実】
ビットコインが2009年に登場し、2021年末に1コイン約10億ドルまで急騰した後
2022年に急落。暗号通貨全体が2022年6月に1兆ドル以下に急落。
↓
【シーゲルの対応】
「ビットコインは貨幣の4条件(計算単位・交換手段・価値貯蔵・匿名性)の
いずれも既存の貨幣性資産に対して優位性を確立していない。
ただし国際送金という特定のニッチでは可能性がある」
| 評価軸 | 具体的象徴 | 4版から6版への変質と分析 |
|---|---|---|
| 【改善・的中】 | 「金融緩和と流動性供給が株価を押し上げる」という1931年来の歴史的法則 | 英国の1931年・米国の1933年・1971年のニクソン・ショック・2008年以降の量的緩和という4つの歴史的エピソードが一貫して「流動性供給→株価上昇」という関係を示した。この診断は第6版でも確認・強化されている。 |
| 【修正・誤認】 | 「利上げ→株価下落」の関係の時代的変化 | 1990年以前は利上げと株価の相関がほとんどなかったが、1990年以降は正の相関に転じた。著者はこれを供給ショック優位から需要ショック優位への転換で説明しており、第4版時点では明確に示されていなかった視点だ。 |
【峻別】経済的必然 vs 時代的偶然
経済的必然(2050年でも再現可能性が相対的に高いもの)
- 「流動性供給→株価上昇、流動性引き締め→株価下落」という基本メカニズム: 中央銀行が流動性を供給すれば資本コストが下がり株価が上昇し、引き締めれば逆になるという関係は割引キャッシュフロー・モデルから導かれる数理的必然だ。1931年から2022年まで一貫して確認されている。
- 供給量に上限があるものは価値貯蔵手段になりうるという原則: 金もビットコインも「供給量の上限」が価値貯蔵手段としての根拠だという点では同じ構造を持つ。この原則は希少性が価値を生むという経済学の基本から導かれる必然だ。
時代的偶然(特定の条件が重なった可能性があるもの)
- ビットコインの2009〜2021年の急騰: 1コイン5セントから約10億ドルまでの上昇は、「最初に採用した少数が巨大な利益を得る」という新技術の普及過程に特有の一時的現象だ。これが2050年に向けて再現できるか否かは、暗号通貨が貨幣の4条件を充足するかどうかに依存する。
- 1990年以降の「利上げと株価の正の相関」: これは供給ショックから需要ショック優位への転換という時代的条件に依存している。エネルギー・食料など供給ショックが再び優位になれば(実際に2022年以降にその傾向が見られた)、この相関は再び崩れる可能性がある。
【批判】2050年への死角
① ビットコインの「価値貯蔵手段」評価における最大の矛盾
著者はビットコインがコロナ禍の弱気相場で50%値下がりしたことを根拠に「価値貯蔵手段としてまだ役立っていない」と評価している。しかし同じ論理を適用すれば、金本位制から離脱した直後の法定通貨も「価値が不安定」という批判を受けていた。ビットコインが法定通貨と対比して評価される歴史がまだ15年程度しかないという短さは、この評価の根拠を弱める。2050年に向けてビットコインが成熟し安定性を高めた場合、現時点の評価は大きく変わる可能性がある。
② 中央銀行デジタル通貨(CBDC)とビットコインの競合シナリオ
著者は「多くの中央銀行がデジタル通貨を検討しているが実際に導入しているところは少なく、米国での開発も遅れている」と述べるにとどまっている。しかし2050年に向けてCBDCが普及した場合、ビットコインが唯一の優位性を持っていた「匿名性」と「国際送金の低コスト」という2つのニッチが侵食される可能性がある。CBDCの普及はビットコインにとっての最大の競合シナリオだが、本章ではこの点の分析が不十分だ。
③ 「土曜の夜の虐殺」から現代の利上げへ:歴史的アナロジーの限界
著者は1979年のボルカーの急激な利上げ(FF金利20%)と2022年のFRBの遅れた利上げを表18-1で比較している。しかし財政赤字の規模・政府債務残高・国際資本フローの自由化という2022年と1979年の構造的差異を考慮すると、歴史的な利上げサイクルのデータが2050年以降の環境でどの程度参考になるかには慎重な評価が必要だ。
【評価】第18章の評価軸
| 評価 | 論点 | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| 【信】Core Theory | 「流動性供給が株価を押し上げ、流動性引き締めが株価を押し下げる」という歴史的法則と、「中央銀行が流動性を自由に供給できることが株価にとってプラス」という1931年来の一貫した教訓 | 1931年の英国・1933年の米国・1971年のニクソン・ショック・2008年の量的緩和という4つの大きな歴史的エピソードが一貫してこの法則を支持している。割引キャッシュフロー・モデルとも整合的な経済的必然だ。 |
| 【疑】Variable | ビットコインが「国際送金」という特定のニッチで将来的な可能性を持つという評価 | 2022年6月に暗号通貨全体が1兆ドル以下に急落したこと、コロニアル・パイプライン事件で匿名性の限界が示されたこと、CBDCの登場という競合圧力を考えると、国際送金での優位性がどこまで持続するかは条件次第だ。 |
| 【棄】Bias | ビットコインの「価値貯蔵手段」としての評価を2021年末時点のデータのみで下す試み | 2022年の急落以前の2021年末時点のデータ(1コイン約10億ドル)を起点とした評価は、その後の急落を考慮すれば明らかに不完全だ。著者自身が「2022年6月には1兆ドル以下に落ち込んだ」と記しており、評価の基準時点の問題は読者が自ら補完する必要がある。 |
まとめ
本に記述された事実と変遷
第18章の核心は「金本位制から管理通貨制への移行は中央銀行に流動性供給の柔軟性を与え株価にとってプラスだった。FRBは金利操作を通じて株価に影響を与えるが利上げは短期的に株価にマイナスだ。ビットコインは貨幣の4条件をまだ充足していないが一部のニッチで可能性がある」という三層構造の結論だ。
主な数値を確認すると、英国の金本位制離脱:1931年9月20日。米国の離脱:1933年4月19日。米国株はその日に9%以上・翌日に約6%上昇(株式史上最大の2日間の上げ幅)。ブレトンウッズ体制での金のドル建て価格:1オンス35ドル。米国の金保有量:第二次世界大戦後300億ドル相当→1971年夏110億ドル。ニクソン声明:1971年8月15日(前日比4%上昇)。ボルカー就任:1979年4月。「土曜の夜の虐殺」:1979年10月6日、FF金利20%まで引き上げ、発表後2日半で株価約8%下落。表18-1では利上げサイクル後3カ月のリターンが2022年3月はマイナス15.86%と最大のマイナス。貨幣性資産の規模(2021年末):M2が123.0兆ドル・中央銀行発行通貨42兆ドル・金12.1兆ドル・暗号資産0.8兆ドル。ビットコイン:2009年1コイン5セントで取引開始(1000ドルで2万コイン購入可能)、2021年12月にその1000ドルの投資(2万コイン)が約10億ドルの価値に成長、最大2100万コイン・2021年末に約1900万コイン創出、2022年6月に暗号通貨全体が1兆ドル以下に急落。コロニアル・パイプライン:430万ドルの身代金、1カ月後に90%近くを回収。
将来への持論と方針
「流動性と金融緩和が相場を押し上げる」という1931年の英国の教訓は、2050年でも変わらない基本原則だ。中央銀行が政策金利を引き上げる局面では株価に短期的なマイナスの影響が出やすく、逆に利下げや量的緩和の局面では株価にプラスという歴史的なパターンは投資家が念頭に置くべき基本情報だ。
ビットコインについては、著者の評価よりもさらに慎重な立場が必要かもしれない。貨幣の4条件をどれも既存の貨幣性資産に対して完全には優位に立てていない現状と、2022年の急落という実績を踏まえると、「歴史上例がない急騰資産」という側面と「価値貯蔵手段として未確立の資産」という側面の両方を冷静に見る必要がある。最終的な結論は全章を読み終えてから出したい。
それでは。
※本記事は刊行時の記述と、著者自身による修正履歴の確認に基づいています。将来の投資環境についての記述は個人の見解であり、予測を保証するものではありません。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任において行ってください。


